本邦における父親の育児実践とメンタルヘルスに関する質的研究

著者

  • 木戸 久美子 香川県立保健医療大学
  • Akemi Mitani
  • Sogo, Michiko
  • Matsushita, Yukiko
  • Yoshiko, Okada

キーワード :

父親産後うつ, 周産期うつ病, 育児支援

要旨

目的:本研究は、乳児を養育する父親の育児実践の実態と精神的健康状態を明らかにすることを目的とした。

方法:本研究は質的記述的研究であり、地方都市の産科医療機関を受診した妊産婦の夫を対象に、出産後の任意の時点で、研究参加に同意が得られた父親9名に対し、半構造化面接を行った。

結果:対象者の平均年齢は34歳(28~44歳)であり、初めての子どもの父親が5名、2人以上の子どもを養育している父親が4名であった。すべての対象者の精神的健康状態は概ね良好で、育児に積極的に関与していた。全対象者の語りから90のコードを抽出し、以下の6つのテーマ「妻との良好なコミュニケーションと育児における協力」、「父親として自分にできることを積極的に実践する姿勢」、「仕事と家庭の両立に伴う葛藤」、「自分にどのような育児ができるのかと思いを巡らす」、「父親に対する育児支援の不足」、「育児について相談することへの抵抗感」を生成した。

研究の限界:本研究は対象者数が9名と少ないこと、すべての対象者が精神的健康状態が良好な父親に限られていたことから、結果の解釈は限定的である。

実践への示唆:本研究の結果は、周産期における父親の抑うつを予防するための支援の在り方について検討する必要性を示唆している。

本研究の独創性:本研究は、これまでにあまり脚光を浴びることがなかった乳児を養育する父親の育児に関する思い、戸惑い、そして育児支援を受けることに対する認識を明らかにしている。本邦において、育児を期間中の男性の抑うつを予防するための介入が十分に行われていない現状も浮彫りになった。本研究成果により、今後は、母親と同様に、父親も育児支援の対象であると専門職が認識する必要があることを示唆している。

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出版済

2026-03-03

巻号

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原著論文