• 復刊第一号
    158 巻 1 号 (2018)

    復刊のことば

     このたび1942年に創刊され2013年に休刊となった学術雑誌「医学と生物学」の復刊にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

     「医学と生物学」誌は著名な医学者緒方富雄博士(1901-1989)が昭和17年(1942)に医学を中心とした生物学分野における当時としては画期的な速報誌として発刊した学術雑誌です。当初から医学のみならず広く生物学関係の応用と基礎とも問わない広い分野を網羅するユニークな学術誌でした。看護学、老人医学、リハビリ関係、小児科、心理学・精神科、栄養学・食品、薬学関係、臨床医学、解剖学、動物学、生理学、保健予防医学、医学教育、細胞生理学、植物学、歯科、皮膚科、免疫学、臨床検査、環境などの原著論文が満載されていました。

    平成元年(1989)に緒方博士が亡くなられた後も24年に亘り発行されていたのですが、平成25年(2013)7月に出版母体であった財団法人緒方医学化学研究所が諸般の事情で解散するに至り、それに伴い157巻6月号をもって創刊以来71年間続いた「医学と生物学」は休刊のやむなきに至ったという経緯があります。

     当バイオテクノロジー標準化支援協会は、当時当会理事長であった奥山典生東京都立大學名誉教授(1928-2015)が緒方医学化学研究所に深く関わって居られたこともあり、「医学と生物学」復刊に関しては休刊当時から並々ならぬ関心を持って居られました。

    2015年夏奥山先生の急逝でバイオテクノロジー標準化支援協会の継続を任された私たちの任務の一つが「医学と生物学」誌の復刊であったわけです。それ以来私たちは微力ながら可能性を模索して参りました。その間最後の編集委員長であられた只野寿太郎先生(佐賀大学名誉教授)のお許しや助言と激励を頂きやっと復刊第1号の出版に漕ぎつけた次第です。

     奥山先生は復刊誌をインターネットジャーナルの形にすることを考えて居られました。インターネットジャーナルにすることで大幅なコストの節約が見込め、且つ非常に速い出版が可能になります。またデータベース化により迅速かつ正確な検索などが可能となり、読者の利便性は飛躍的に高まることが期待されます。

     当バイオテクノロジー標準化支援協会は大学・官庁・民間などのバイオ関係者のOBを中心とした構成です。専門は幅広く学識・実務の経験豊富であると自負しています。退職者は時間が比較的自由でもありこの新しいインターネットジャーナルの編集に全力で取り組みたいと考えています。

    ぜひ皆さまからのご意見、ご投稿などよろしくご協力をお願いして復刊のことばとさせて頂きます。

     

    2018年10月吉日

    「医学と生物学」編集委員会

     

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