震災後の高齢者デイサービス利用者に対する笑いヨガと職員との交流プログラムの心理的効果

非ランダム化比較試験

著者

  • 小林 美奈子 日本医療科学大学 保健医療学部 看護学科 地域・在宅看護

キーワード :

地域在住高齢者, 通所介護施設, 笑いヨガ, 抑うつ, 健康関連QOL

要旨

本研究は、東日本大震災後の復興期における地域高齢者の社会的孤立という状況下で、高齢者デイサービス利用者を対象に、笑いヨガと職員との肯定的交流を組み合わせた複合プログラムの心理的効果を、非ランダム化比較試験により検証することを目的とした。M県I市の公的介護保険によるデイサービス(通所介護施設)を利用する25名(介入群14名、統制群11名)を対象とし、2013年10月から2014年2月まで調査を実施した。介入群に対し、笑いヨガ、表情筋体操、肯定的交流からなる「心の健康教室」を約1〜2週間に1回の頻度で全8回実施した。主要アウトカムである老年期うつ病評価尺度(GDS-15)の変化量において、介入群(平均変化量:−4.00±2.11)は統制群(−1.91±1.97)と比較して有意な改善を示した(p=0.02)。この効果量はCohen's d=1.02(大)であり、臨床的に意義のある改善が認められた。健康関連QOL尺度(SF-8)の下位尺度では、「体の痛み」「活力」「社会生活機能」の3項目で有意な改善が確認された。一方、首尾一貫感覚尺度(SOC-13)には有意な変化は認められなかった。以上より、本複合プログラムは、社会的孤立下にある高齢者の抑うつ傾向を軽減し、身体的苦痛および社会生活機能の改善に寄与する可能性が示唆された。

Downloads

出版済

2026-06-29

巻号

セクション

原著論文