早産した母親8名の罪責感の出現と消失に関連する要因の記述研究

  • 深谷 久子 人間環境大学看護学部
キーワード: 早産した母親, 罪責感, 出産, 親の感情, 看護

要旨

 背景:早産した母親の罪責感の出現と消失に関連する要因について記述し,看護ケアに関する示唆について検討する.

方法:データ収集方法は,早産した母親8名に半構成的面接法を行い,データ分析は,逐語録の探索的内容分析を行った.

結果:罪責感の出現の関連要因は,【危機的な子どもの身体像】【制限された育児】【病院に独り残すこと】【家庭での育児がはじまること】【妊娠中の不摂生や病気】【家族の配慮のなさ】【早産したこと】【強制的な授乳】【合併症や針痕があること】【制限された子どもと関わり】であった.消失の関連要因は,【周囲からの励まし】【意識の肯定的な切り替え】【母乳が出ていること】【安定した生活ペースの獲得】【子どもの順調な成長】【合併症の治癒】であった.

結論:親や家族を含めた意図的かつ継続的な心理的ケアを行うこと,早産児の成長や育児過程を支えるよう情報提供や育児支援システムの構築が必要であると考えられた.

出版済
2023-05-16
セクション
原著論文