脳卒中重度片麻痺症例に対し大腿上位半月をカットしたSemi-KAFOを製作し在宅復帰に至った一症例
キーワード:
脳卒中重度片麻痺, Semi-KAFO, 回復期リハビリテーション病院
要旨
脳卒中重度片麻痺例に対し在宅復帰に向けたリハビリテーション(リハ)を行った。症例は63歳、男性で日常生活活動(ADL)の再獲得と自宅復帰目的で回復期リハ病棟に入院した。入院時から重度の左片麻痺と感覚障害のためにADLに全介助を要した。移乗・移動能力の再獲得を目標に長下肢装具(KAFO)を用いた集中的なリハを実施したが麻痺側下肢の支持性を得ることが難しくKAFOから短下肢装具(AFO)への移行は困難であった。そこで、大腿上位半月をカットしたSemi-KAFOを製作した。その結果、在宅生活で必要とされる階段昇降やトイレ動作でのズボンの着脱が容易となり自宅復帰した。以上のことから、KAFOからAFOへ移行が難渋する症例に対しSemi-KAFOの導入は、症例によっては自宅復帰を支援する一助になると考えられた。