脳卒中重度片麻痺症例に対し大腿上位半月をカットしたSemi-KAFOを製作し在宅復帰に至った一症例

  • 藤井 隆弘 和光リハビリテーション病院 リハビリテーション課
  • 小川 祐来
  • 平野 恵健 日本医療科学大学
  • 大森 まいこ
  • 成田 考而
  • 中島 佳貴
  • 今村 健太郎
キーワード: 脳卒中重度片麻痺, Semi-KAFO, 回復期リハビリテーション病院

要旨

脳卒中重度片麻痺例に対し在宅復帰に向けたリハビリテーション(リハ)を行った。症例は63歳、男性で日常生活活動(ADL)の再獲得と自宅復帰目的で回復期リハ病棟に入院した。入院時から重度の左片麻痺と感覚障害のためにADLに全介助を要した。移乗・移動能力の再獲得を目標に長下肢装具(KAFO)を用いた集中的なリハを実施したが麻痺側下肢の支持性を得ることが難しくKAFOから短下肢装具(AFO)への移行は困難であった。そこで、大腿上位半月をカットしたSemi-KAFOを製作した。その結果、在宅生活で必要とされる階段昇降やトイレ動作でのズボンの着脱が容易となり自宅復帰した。以上のことから、KAFOからAFOへ移行が難渋する症例に対しSemi-KAFOの導入は、症例によっては自宅復帰を支援する一助になると考えられた。

著者略歴

平野 恵健, 日本医療科学大学

職位:准教授  

学位:博士(理学療法学)首都大学東京大学院 人間健康科学研究科

資格:理学療法士 ・ドイツ徒手医学認定セラピスト ・3学会合同呼吸療法認定士

専門分野:整形外科学、義肢装具学

研究テーマ: 理学療法学における臨床研究

 

業績:

  1. Yoshitake Hirano, et al: Development of a prognostic scale for severely hemiplegic stroke patients in a rehabilitation hospital. Clin Neurol Neurosurg. 2017;158(7):108-113.
  2.  Yoshitake Hirano, et al: Prediction of Independent Walking Ability for Severely Hemiplegic Stroke Patients at Discharge from a Rehabilitation Hospital. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2016 ;25(8):1878-1881.
  3.  Yoshitake Hirano, et al:Prognosis and classification of severely hemiplegic stroke patients in a rehabilitation hospital. J Phys Med Rehabil 2017, 5: 397(DOI 10.4172/2329-9096.1000397). 
  4. Yoshitake Hirano, et al: The effect of voluntary training with family participation on early home discharge in patients with severe stroke at a convalescent rehabilitation ward. Eur Neurol. 2012;68(4):221-228.

 

他37編、Proceedings 4編、学会発表(国内・国外)117本

 

競合研究費の採択

公益財団法人 ひと・健康・未来研究財団 医学研究助成金(2015)

公益財団法人 大同生命厚生事業団 地域保健福祉研究助成金(2011)

 

受賞:第59回日本循環代謝学会学術集会 優秀ポスター賞(2016)

 

出版済
2022-10-26
セクション
研究論文