国外文献にみる看護系大学教員の職務満足に影響を及ぼす要因
要旨
背景:日本では看護系大学が急増し、教員不足が懸念される。国外においても、教員不足が報告されている。教員の定着のためには、職務満足感を高める必要があると考えた。 目的:国外文献における看護系大学教員の職務満足の要因を明らかにする。 方法:国外文献検索サイトPubMedで最近10年間、及びインターネット上full textにアクセス可能で、job satisfactionとnursing faculty/educatorのAND検索で本研究の目的に見合う30件を対象とした。 結果:【学位取得と研究活動】【学部長の管理】【教育者のキャリアデベロップメント】【組織文化】【衛生要因・複合要因の改善】【メンタルヘルス支援】【過重労働・待遇格差の解消】の7カテゴリー、20サブカテゴリーに分類された。 【学位取得と研究活動】は【教育者のキャリアデベロップメント】の基盤であり、職場環境としての【組織文化】が影響しており、これらにはリーダーの采配である【学部長の管理】が影響していると捉えられた。ストレスマネジメントは教育、研究活動に伴うものであり、組織の【メンタルヘルス支援】が課題となる。また【衛生要因・複合要因の改善】は不満足要因としての衛生要因を改善しても、【過重労働・待遇格差の解消】が影響する要因で職務満足度が高いとは言えない状況であった。 結論:職務満足に影響する要因として、教育者、研究者としての発達には組織文化や学部長の采配の影響があり、ストレスマネジメントのため、メンタルヘルス支援が必要である。