日本における看護学教員の職務満足に影響を及ぼす要因
要旨
背景:日本において看護系大学が急増し、看護専門学校は横ばいの状況で看護学教員が不足している。看護学教員が定着するためには、看護学教員の職務満足に影響を及ぼす要因を探求することは喫緊の課題であると考えられる。
目的:国内文献を検討し、看護学教員の職務満足に影響を及ぼす要因を定性的に分析する。
方法:医学中央雑誌刊行会WebとCiNiiで検索し、26件を対象とした。
結果:看護学教員の職務満足に影響を及ぼす要因は【基盤としての教育経験】【看護教育者としてのアイデンティティ形成】【コミットメント・就業継続意欲】【円滑な研究活動】【ワークライフバランス】【組織環境と支援体制】【若手教員・助手・助教・新人教員の支援】【ストレスマネジメント】の8つのカテゴリーから構成されていた。
看護学教員の職務満足に影響する重要な要因は教育経験、アイデンティティ、コミットメントで、これらは先行研究にみる看護学教員の教育能力やコンピテンシーと類似していた。研究活動には、教育機関を問わず教育能力の向上に有益で、特に教育経験が短い教員の支援も含めて、組織や管理者の支援が必要となった。
結論:看護学教員の職務満足に影響を及ぼす要因は教育経験、アイデンティティの他、主に教育経験の短い教員の支援、ストレスマネジメントが重要である。