筋肉内注射後のマッサージのあり方に関する検討
キーワード:
筋肉内注射、マッサージ
要旨
本研究は、基礎看護学で使用されている日本文テキスト及び参考書と、筋肉内注射後のマッサージの目的と効果及び方法に関する研究論文から、筋肉内注射後に行われるマッサージの目的と効果、方法を調べ、現状を明らかにするとともに、今後の筋肉内注射後のマッサージのあり方について検討を行った。筋肉内注射後のマッサージは、その必要性を示す十分な根拠は存在せず、マッサージによって筋肉組織障害を引き起こす薬剤があるが、その認知度は明確ではなく、注射後のマッサージは避けるか、軽くマッサージするにとどめる方がよいことが示唆された。また、投与方法が筋肉内に限定されている薬剤は多岐に渡り、臨床では、注射実施者の大部分を看護師が占めていることから、看護師には、薬剤の性質や作用の知識のみならず、注射を受ける側の状態(皮下脂肪厚、皮膚疾患や神経疾患、出血傾向、動静脈疾患の有無など)を合わせ考えアセスメントする力が求められる。