医療現場で危険を予知する際の中堅看護師の前頭葉の賦活状況の解明

‐新人看護師との比較から‐

著者

  • 菊地 淳 日本保健医療大学
  • 松阪 弦 国立病院機構宇都宮病院看護部所属
  • 齋藤 郁美 国立病院機構宇都宮病院看護部所属
  • 松浦 純平 周南公立大学 人間健康科学部 看護学科

キーワード :

リスクアセスメント, 新人看護師, 中堅看護師, 脳血流量, NIRS(Near-infrared spectroscopy)

要旨

背景:本研究では、中堅看護師と新人看護師が、医療現場で危険を含む場面を見たときの前頭葉の賦活化状況を脳血流量の違いから明らかにすることを目的とした。

方法:潜在的リスクを見た時の脳血流量の変化を2チャンネルの近赤外分光法(Near-infrared spectroscopy:NIRS)で測定した。前頭葉の賦活化させるために用いた課題は日常的・医療的な潜在的リスクを含む2場面とした。新人看護師と中堅看護師の総ヘモグロビン(totalHb)変化量をMann–Whitney のU検定を用いて比較した。

結果:前頭葉における血流量の変化状況を測定した結果、新人看護師の日常場面での平均変化量は,左0.08 ,右0.05mMmmであった.また,医療場面では,左-0.15,右-0.73mMmmであった.一方,中堅看護師は,日常場面での平均変化量,左0.01 ,右0.22mMmmであった.また,医療場面では,左0.30,右-0.02mMmmであった. 新人看護師と中堅看護師のtotalHb変化量を比較した.その結果、日常的な場面では有意な違いは認められなかった。しかし、医療場面では、p=0.03であり中堅看護師の左前頭葉での脳血液量の増加が認められた。 

結論: 潜在的リスクを含む医療場面を見た際に中堅看護師の左前頭葉での有意な脳血液量の増加が認められた。

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出版済

2025-09-17

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