高齢者における機能性消化管疾患に対する食事療法の最新知見
キーワード:
高齢者, 機能性消化管疾患, 食事療法, 食事摂取, エビデンス
要旨
少子化、高齢社会をむかえる本邦において、高齢者の栄養療法は非常に重要です。高齢者は複数の病気を抱えていることが多く、栄養失調になりやすいです。また、消化管の機能に器質的な異常がないにもかかわらず、機能性便秘、下痢、便失禁などが起こる場合もあります。これらの障害、それに伴う栄養失調、回復の遅さなどにより、高齢者が社会に復帰することが困難になることがよくあります。二次的または不適切な栄養管理は合併症を増加させ、身体機能を低下させ、予後を悪化させます。これまでの統計調査では、必要カロリーの半分未満しか摂取していない65歳以上の入院患者では、院内死亡率が著しく高いことが示唆されています。したがって、高齢者には早期からの適切な栄養管理が重要です。また、高齢者特有の病態として機能性排泄障害、認知症、サルコペニア(筋萎縮症)などが注目されており、栄養管理を伴う早期のリハビリテーションが重要です。高齢だからと言って栄養管理が不可能になるわけではなく、終末期や高度な心身疾患においても適切な栄養療法を見直す必要があります。この論文では、高齢者に焦点を当てて、食事摂取と 機能性胃腸疾患の関係を調査しています。関係を調査しています。