成人先天性心疾患にEisenmenger症候群や肺動脈性肺高血圧症の併発例に対して肺移植と心内修復術後における右室リバ-スリモデリングの研究

  • 伊藤 記彦 国際医療福祉大学 成田保健医療学部 医学検査学科
  • 西條 芳文 東北大学大学院医工学研究科
  • 船水 康陽 東北大学病院生理検査センタ-
  • 三木 俊 東北大学病院生理検査センタ-
  • 建部 俊介 東北大学病院循環器内科
  • 後岡 広太郎 東北大学病院循環器内科
  • 岡田 克典 東北大学病院呼吸器外科
キーワード: 単純先天性心疾患 (SCHD), 成人先天性心疾患 (ACHD), 肺移植と心内修復術 (CCLT), 肺動脈性肺高血圧症(PAH), 特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH), Eisenmenger Syndrome (ES)

要旨

 単純先天性心疾患に肺動脈性肺高血圧症/特発性肺動脈性肺高血圧症の合併例は,内科的治療の継続が困難になった場合,最終選択肢として肺移植と心内修復術が実施される.本研究は肺移植と心内修復術によって右室リモデリングが「完全に正常へ回復するのか」「部分的な改善にとどまるのか」「術前よりも更にリモデリングするのか」について分析することを目的とした.対象は2012年から2015年までに単純先天性心疾患と肺動脈性肺高血圧症/特発性肺動脈性肺高血圧症の合併例に対して肺移植と心内修復術を施行した心房中隔欠損症3例と心室中隔欠損症3例の合計6例.方法は診療録の心エコ-検査デ-タから,術前,術後1週間,1ヶ月,6ヶ月,12ヶ月の右室形態と右心機能障害の改善回復について分析した.肺移植と心内修復術によって高度肺高血圧症が解除されたことで,推定右室収縮期圧Median(IQR):22.3mmHg(19.3-27.2mmHg),右室中部径31mm(29.9-33.5mm),右室面積変化率44.5%(40.8-49%)は改善し正常範囲に回復した.しかし,右室壁厚は肥厚9.3mm(8.3-9.9mm)が改善回復しなかったため,右室リバ-スリモデリングは部分的な改善にとどまった.

著者の経歴

伊藤 記彦, 国際医療福祉大学 成田保健医療学部 医学検査学科

国際医療福祉大学 成田保健医療学部 医学検査学科 准教授

西條 芳文, 東北大学大学院医工学研究科

東北大学大学院医工学研究科 教授

建部 俊介, 東北大学病院循環器内科

東北大学病院循環器内科 准教授

後岡 広太郎, 東北大学病院循環器内科

東北大学病院循環器内科 准教授

岡田 克典, 東北大学病院呼吸器外科

東北大学病院呼吸器外科 教授

出版済
2024-11-14
セクション
原著論文