無痛分娩実施施設の助産師による非薬物的産痛緩和ケアの実態

  • 大谷 紗良 横浜市立大学附属市民総合医療センター
  • 篠原 枝里子
  • 竹内 翔子
  • 中村 幸代
キーワード: 無痛分娩, 助産師, 非薬物的産痛緩和ケア

要旨

【目的】無痛分娩実施施設に勤務する助産師による非薬物的産痛緩和ケアの実態について明らかにする。

【方法】厚生労働省が公表している無痛分娩実施施設に勤務し, 分娩期の女性に対し非薬物的産痛緩和ケアを実践している助産師230名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。

【結果】対象者は80名(有効回答率97.6%)であり, 助産師は多様な非薬物的産痛緩和ケアを高い頻度で実践していた。92.4%の助産師が非薬物的産痛緩和ケアと無痛分娩時ケアを併用しており, 特に精神的援助では97.5%の助産師が併用の必要性を感じていた。また, 非薬物的産痛緩和ケアの実践における困難感として, ケアの提供時間の不足や, 知識・技術の不足が挙げられた。

【結論】非薬物的産痛緩和ケアのうち, 特に精神的援助は, 多くの助産師が重要視しており, 女性がより不安を感じやすく, 選択する女性の傾向として不安が強いことからも, 無痛分娩時には積極的に実践されるべきでケアであることが示唆された。また, 困難感より, 助産師のケア実践のための時間を確保すること, 無痛分娩との併用に関するエビデンス, 具体的な実践方法について学習することの重要性が示唆された。

出版済
2024-06-02
セクション
原著論文