病院に勤務する看護師の不眠の実態と関連する要因の検討

  • 長砂 順子 日本福祉大学看護学部看護学科
  • 伊藤 千晴 人間環境大学大学院看護学研究科
キーワード: 病院看護師, 不眠, 実態, アテネ不眠尺度

要旨

背景:不眠を訴える労働者は有病率が高いといわれる中、不規則な勤務とストレスが大きいといわれる看護師の睡眠に対する現状は深刻である。本研究では、病院に勤務する看護師の不眠に対する実態を明らかにし、その対処策を考える基礎資料を得ることを目的とする。

方法:2020年8月にA県内の病院に勤務する看護師373名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容はアテネ不眠尺度(以下、AIS)とした。

結果:307名を分析対象とした(回収率89.0%、有効回答率82.3%)。属性とAIS総合点との関連では、看護(介護)の有無、勤務形態、睡眠時間との間に有意差が認められた。AISの8項目との関連では、看護(介護)の有無と「日中の活動」、勤務形態では、「入眠潜時」「総睡眠時間」「睡眠の質」「日中の気分」「日中の活動」、睡眠時間では、「入眠潜時」中途覚醒」「総睡眠時間」「睡眠の質」「日中の気分」「日中の活動」との間に有意差が認められた。

結論:2交代と3交代の混合は、不眠症の可能性が最も高く、3交代は入眠までに時間を要した。不眠で看護(介護)ありの方が「日中の活動」は低下していた。

出版済
2024-06-02
セクション
原著論文