大学生に対する非連続性精神性発汗量測定値を用いた不安評価の有効性の検討

  • 近藤 彰 藤田医科大学
  • 伊藤 千晴
キーワード: 精神性発汗, 非連続性精神性発汗量測定, 不安評価

要旨

背景:侵襲度の高い検査を受ける患者は不安を感じる。不安を感じる患者への看護は、患者の精神状態や不安の程度を観察し、評価することが重要と考えられるが、看護介入による不安軽減の効果に関する研究報告は少ない。要因の1つとして不安を客観的評価する指標がないためであると考える。本研究は、非連続性発汗量測定が不安評価に有効であるかを明らかにすることを目的とて実施した。

方法:大学生11名に対し、アンケートによる不安評価及び精神的負荷(スピーチと暗算)を実施した。精神的負荷前後に唾液アミラーゼ活性値(以下:sAMY)と精神性発汗量を測定し、測定値の比較・検証をした。

結果:対象11名のアンケートによる不安評価では、精神的負荷実施前の不安の状態に差はなかった。全対象の精神的負荷前後のsAMYと精神性発汗量の測定値の変化に正の相関が認められた。各対象の測定値の変化では、正の相関を認めた対象もいたが、発汗量の変化が少なかったり、sAMYと発汗量の変化す相関がない対象がいた。

結論:精神性発汗量測定は正確性の示されているsAMYと精神性発汗量に相関が認められたことから不安評価に有効であり、不安評価として使用できる可能性が示唆された。

出版済
2024-06-02
セクション
原著論文