足浴の水深が足背皮膚温と心理的指標に及ぼす影響

  • 木村 春香 名古屋市立大学病院
  • 細川 諄 医療法人社団 躍進会 清澄白河皮ふ科
  • 加藤 京里 静岡県立大学
キーワード: 足浴, 足背皮膚温, 水深, STAI, 快適感

要旨

本研究は、足浴における足背皮膚温と温度感覚、快適感、不安について水深別にクロスオーバーデザインで比較することを目的とした。

被験者は椅子に座り10分間の足浴を受けた。足浴の湯は40℃を保持し、8cmと15cmの高さで湯を満たした。足背皮膚温、温度感覚・快適感、State-Trait Anxiety Inventory (STAI) を足浴前、足浴中、足浴直後、足浴10分後に測定した。

被験者は22名(男女比:5/17、年齢:21±3歳)であった。いずれの水深条件においても被験者は、足浴中および足浴直後に身体が温かく快適であったことを報告し、足浴10分後でも足背皮膚温は高く保持され、不安が軽減されたことが示唆された。気持ちよい温かさによるリラックス効果は、足浴が副交感神経を優位にしたためであると考えられる。

水深15cmの足浴は水深8cmの足浴と比較して、足浴前よりも足浴中に有意に身体が温まったと感じ、足浴直後から足浴10分後にかけて温かさの知覚は有意に低下したにもかかわらず足浴10分後まで快適感が持続した。水深15cmの足浴は、より広い皮膚面積を温水に浸漬することができるため、足浴中や足浴後の快適感において効果的であることが示唆された。

出版済
2024-06-02
セクション
原著論文