高齢者の人生の最終段階における医療・ケアの意思決定に関連する要因
キーワード:
高齢者, 人生の最終段階, 意思決定
要旨
本研究の目的は、高齢者の人生の最終段階における医療・ケアの意思決定に関連する要因を明らかにすることである。老人クラブ所属の高齢者1,239名に質問紙調査を実施し、有効回答421名を分析対象とした。人生の最終段階における医療・ケアの意思決定の有無別に介護や看取りの経験、意思決定に関する教育、人生の最終段階の医療・身体状況に関する知識の有無、人生の最終段階に関して重要であると考える項目を比較し、ロジスティック回帰分析を行った。 人生の最終段階における医療・ケアの意思決定がある高齢者は22.8%であった(平均年齢74.4±6.9歳、男性54.6%)。ロジスティック回帰分析の結果、人生の最終段階における医療・ケアの意思決定には介護経験、意思決定に関する教育、人生の最終段階の身体状況の知識、自然な最期を迎えるという考えが有意に関連していた。人生の最終段階に対する知識や重要であると考える項目に関する教育が高齢者の意思決定につながる可能性が示唆された。今後、高齢者の意思決定を促進する教育プログラムにその要素を取り入れていきたい。