コロナ禍に実施する遠隔グループワークで看護学生が感じる困難感の要因に関する研究
要旨
2020年から新型コロナウイルス感染症の流行(コロナ禍)に伴い、教育機関では感染対策および教育を継続するために遠隔授業が急速に普及した。コロナ禍による授業形態の変化は、技術の習得を目的とする演習科目や意見交換を必要とするグループワークの実施が難しくなるなどの影響が大きいと推測される。そこで、グループワークの授業が多い看護学生に対して、遠隔で行う学生同士のグループワークに関しての困難感についての実態を調査し、その要因を明らかにすることを目的とした。研究対象者は、コロナ禍での遠隔およびそれ以前の対面でのグループワーク双方を経験している看護学科4年生30名であった。遠隔グループワークにおいて画面越しに視線が合わない、相手の顔が全て映っていないなどの非言語的情報は気にしていないものが多かった。その一方で、相手の反応がわかりづらく不安である、身振り手振りやカメラONなどの非言語的情報がある方がグループワークをやりやすいと感じている一面もあった。また、話し始めるタイミングが困難という部分から意見を出しにくい状況もあった。この調査から、遠隔グループワークにおいて、相手の画面、反応、話すタイミングや非言語的な情報が阻害されていることなどに困難感を感じていたことが明らかになった。