助産所助産師における夫婦コペアレンティング促進のための支援の特徴

  • 大島 璃子 横浜市立大学医学部看護学科
  • 中村 幸代 横浜市立大学医学部看護学科
  • 竹内 翔子 横浜市立大学医学部看護学科
  • 篠原 枝里子 横浜市立大学医学部看護学科
キーワード: 協働, コペアレンティング, 夫婦, コミュニケーション, 助産所

要旨

【目的】夫婦コペアレンティング促進のための助産所助産師の支援の特徴を明らかにする。

【方法】2022年8月に神奈川県内の助産所に勤務する助産師2名を対象とした半構造化面接を実施した。録音した面接内容を逐語録に起こし、研究目的に関する語りを抽出してコード化、サブカテゴリー化、カテゴリー化を行う質的記述的研究による分析を実施した。なお、本研究は、所属機関の学科において承認を得た上で実施した。

【結果】分析の結果、【対話を主軸とした夫婦のチーム力の向上促進】、【子どもを中心に据えた生活や家族のあり方の構築促進】、【夫婦のテンポ感を大切にした調整】、【産後の夫の育児・家事への協力度の把握】、【夫婦流の育児獲得に向けた共同探索】の5カテゴリーと、それらを構成する13サブカテゴリーが抽出された。

【考察】助産所助産師は、夫婦の円滑なコミュニケーションや互いの考えや気持ちの言語化の促進、家族の関係性を大切にした支援により夫婦関係を良好に保って夫婦の力を高め、夫婦コペアレンティング促進を支えていることが明らかになった。このことから、家族と周囲の人々との関係性の変化を捉えた家族機能構築の支援や夫婦それぞれと子どもとの良好な関係性構築の支援、夫婦それぞれの個性や考えを理解すること、負担の少ない育児方法の提案、自分たちに適した育児を見つけられるよう見守ることが必要であると考えられる。

出版済
2023-12-07
セクション
報告論文