成人看護学実習における学生の捉えた受持ち患者との心理的距離の変化と影響要因

  • 堤 かおり 宝塚医療大学和歌山保健医療学部看護学科
  • 河村 圭子 梅花女子大学看護保健学部看護学科
  • 那須 さとみ 宝塚医療大学和歌山保健医療学部看護学科
キーワード: 心理的距離, 成人看護学実習, 実習指導

要旨

成人慢性期看護学実習(3週間)を履修した看護系大学3年次生10名を対象に、患者との心理的距離感と影響を及ぼす要因を明らかにする目的でインタビュー調査を行った。

その結果、学生に患者との心理的距離感を0~100cmで示してもらった心理的距離感は、実習経過と共に近づいていた。しかし、一部の学生では、患者の状態変化、実習途中での患者変更、実習生としてとるべき行動の戸惑いによって、数値は一旦離れたが、実習が進むと再び近づいていた。

 学生の語りを質的記述的に分析した結果、学生の心理的距離感に影響を及ぼす要因は、実習開始時では【実習への心理的障壁】【やっていけそうという思い】、実習1週~2週目では【よい援助関係構築のための努力】【患者との関わりへの葛藤】、実習3週目では【新たな関係性の構築】であった。看護教員はこれら影響要因をふまえた実習指導が必要である。

著者の経歴

河村 圭子, 梅花女子大学看護保健学部看護学科

梅花女子大学看護保健学部看護学科・教授

那須 さとみ, 宝塚医療大学和歌山保健医療学部看護学科

宝塚医療大学和歌山保健医療学部看護学科・講師

出版済
2024-06-01
セクション
原著論文