中高生の教師サポート期待と関連する概念の文献的検討

要旨

本研究の目的は，中高生の教師によるサポート期待に関する研究動向を文献的検討により明らかとし，教師が生徒と関わる際に配慮すべき事項と今後検討すべき課題を明確にすることである．医学中央雑誌 Web 及びPubMedから収集した48件の文献を対象とし，中高生の教師によるサポート期待と関連する概念を抽出した．その結果，思春期に対するソーシャルサポートの重要性の認識が社会に広まった2010年以降に急激に論文数が増加していることが明らかとなった．その後，抽出した概念を意味内容の類似性に基づいて分類し，カテゴリを生成した．その結果，抽出された89の概念から19のサブカテゴリが生成され，それらは[行動]，[認知]，[属性]，[情意]，[安寧]の5つのカテゴリにまとめられた．本研究結果は，まとめられた5つのカテゴリに対して，教師によるサポート期待は有効である可能性があることを示唆しており，中高生の教師はそのことを理解して生徒に関わることが必要であろう．また，教師によるサポート期待と関連する概念の検討において，本研究で生成されたカテゴリ以外について今後検討する必要性が示された．