コロナ禍における看護学生の看護技術学習方略の実態

  • 奥野 友紀 椙山女学園大学看護学部看護学科
  • 川村 真紀子 藤田医科大学保健衛生学部看護学科
  • 加藤 治実 藤田医科大学保健衛生学部看護学科
  • 小園 千草 朝日大学保健医療学部看護学科
  • 平賀 元美 名古屋学芸大学看護学部看護学科
  • 三吉 友美子 藤田医科大学保健衛生学部看護学科
キーワード: 看護技術教育, 看護学生, 看護技術, 学習方略, COVID-19

要旨

背景: コロナ禍により、遠隔授業など教育方法が変更された。それに伴い、看 護技術の学び方は変化したのではないかと推察する。本研究では、コロナ禍に おける看護学生の看護技術学習方略の実態を明らかにすることを目的とする。 方法: 2021 年 7 月に、紙媒体もしくは Web による無記名の質問紙調査を実 施した。対象は、東海地方の看護系大学 5 校に所属し、入学後の全期間をコロ ナ禍で過ごす 1・2 年次生 824 名とした。調査内容は、看護技術学習方略尺度 (以下、NSLSS)とした。 結果: 465 名を分析対象とした(回収率 58.0 %、有効回答率 97.3 %)。NSLSS 得点の中央値は 4.24 点、最小値は1.12点、最大値は6.00点であった。下位尺度 得点の中央値は4.00~4.50点、最大値は全て6.00点、最小値は「計画・調整」が1.25点、 「認知的志向」「ピア学習」「情動調整」が 1.00 点であった。学年別の NSLSS 得点の中央値は、1年生が4.18点、2年生が4.29点であり、有意差はなかった。 結論: NSLSS・下位尺度得点の中央値は、先行研究とほぼ同じであった。しか し、「ピア学習」と「認知的志向」を全く使用しない者が存在したことから、 コロナ禍の影響により、学習方略の使用において個人差が大きくなることが示 唆された。また、1 年次生よりも 2 年次生の方が、コロナ禍の影響が大きいと 考えたが有意な違いはなかった。
出版済
2023-05-16
セクション
原著論文