家族指導と多職種連携により在宅復帰に至った脳卒中 重度片麻痺例の経過
キーワード:
回復期リハビリテーション病棟, 脳卒中重度片麻痺, 家族指導, 多職種連携
要旨
重度の脳卒中片麻痺を有する症例に対し在宅復帰に向けたリハビリテーション(リハ)を行ったので報告する。症例は49歳、男性、日常生活活動(ADL)の再獲得と在宅復帰・社会復帰目的で回復期リハ病棟に入院した。入院時から重度の右片麻痺を認め、日常生活活動(ADL)に重度の介助を要した。若年で、残存機能が比較的高く保たれていたため、ADLの改善と在宅復帰が可能であると予測し、集中的なリハと適切な家族指導を行った。さらに、在宅復帰や社会復帰に向けてリハの進捗状況や今後の予後を職場のスタッフや介護支援専門員と共有し連携を図った。その結果、症例の残存機能の改善に伴い、移乗・移動能力、ADL能力の向上が得られた。また、入院早期からの実践的な家族指導により、家族は在宅生活と通勤に必要な移動能力の介助技術を習得し在宅復帰した。以上のことから入院早期から社会復帰を見据えた家族指導と職場のスタッフや介護支援専門員と連携を図ることが重要であった。