高校生の精神的健康に対する道具的な教師サポート期待と学生生活関連ストレス認知の関連

  • 井村 亘 玉野総合医療専門学校
  • 石田 実知子 川崎医療福祉大学保健看護学部保健看護学科
  • 山形 真由美 山陽学園大学看護学部看護学科
  • 大東 真紀 岡山大学大学院保健学研究科博士後期課程
  • 橋本 実来 川崎医療福祉大学医療技術学研究科健康体育学専攻修士課程
  • 難波 知子 川崎医療福祉大学医療技術学部健康体育学専攻
キーワード: 道具的な教師サポート期待, 高校生, ストレス認知, 精神的健康

要旨

 本研究は,高校生の精神的健康の向上に向けた教師の支援における知見を得ることをねらいとして,高校生の精神的健康に対する道具的な教師へのサポート期待(以下:教師サポート期待)と学生生活関連ストレス認知(以下:ストレス認知)の関連を明らかにした.仮説モデルは,道具的な教師サポート期待がストレス認知(友人・学業・教師・親)を介して精神的健康に影響を与えるとしたモデルを設定した.解析には,2校に在籍する高校生344人分のデータを使用し,モデルのデータに対する適合性と変数間の関連性を検討した.その結果,道具的な教師サポート期待がストレス認知を介して精神的健康に影響を与えるとしたモデルのデータへの適合度は,統計学的許容水準を満たしていた.変数間の関連性は,道具的な教師サポート期待と友人,教師,親との関係に起因するストレス認知とは負の関連を示していた.また,ストレス認知と精神的不健康とは正の関連を示していた.なお,本分析モデルにおける精神的健康に対する寄与率は35.5%であった.本研究結果は,高校生の精神的健康の向上および友人,教師,親との関係に起因するストレス認知の低減に向けて,道具的な教師サポート期待を高める必要性を示唆している.

出版済
2023-01-27
セクション
原著論文