短時間のハンドマッサージによるリラクゼーション効果

  • 管原 清子 静岡県立大学看護学部
  • 永谷 幸子 静岡県立大学看護学部
  • 久保田 真由 医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院
キーワード: ハンドマッサージ, リラクゼーション, 自律神経活動, 気分の状態

要旨

 本研究は、10分間という短時間のハンドマッサージによるリラクゼーション効果を、生理的指標(心拍変動、心拍数、唾液アミラーゼ)と心理的指標(Profile of Mood States(POMS)、Visual Analog Scale(VAS))を用いて検討することを目的とした。健康な女子大学生21名を対象とした。生理的指標はハンドマッサージ実施前の安静5分間の値を基準に比較した。心拍変動はハンドマッサージ開始から5分間で、交感神経の活動指標LF / HFが有意に低下した。また、心拍数は、ハンドマッサージ10分間およびハンドマッサージ終了後の安静5分間で有意に低下した。心理的指標はハンドマッサージ前後で比較した。POMSは、ネガティブな気分状態を示す全ての尺度が、ハンドマッサージ実施後に有意に低下した。VASの値は、ハンドマッサージ実施後にリラックス方向に有意に増加した。以上より、ハンドマッサージは生理的にも心理的にも短時間でリラクゼーション効果を得ることが明らかになった。

出版済
2022-10-26
セクション
報告論文