看護学生の生活体験と看護学生が抱く療養者の手段的日常生活行動イメージ
要旨
【目的】看護系大学3年生から生活体験と、療養者の手段的日常生活行動イメージの調査し、手段的日常生活行動イメージに影響する生活体験を明らかにする。
【方法】在宅看護論実習前の学生196名を対象に自己記入式アンケート調査を行った。
分析方法は、学生の生活体験が学生の抱く療養者の手段的日常生活行動イメージに影響しているかを解析する目的で重回帰分析を行った。重回帰分析を行う前に質問項目が多いために因子分析と重回帰分析を統合した構造方程式モデリング(structural equation modeling :SEM)で実施した。
【結果】学生の生活体験は、自分の部屋掃除104名(99.0%)、食事を作るための買い物・食事の後片付け103名(98.1%)の項目が多く、子供・病人の世話65名(61.9%)、ボランティア活動・地域交流70名(66.7%)、自宅のトイレ掃除77名(73.3%)の項目が少なかった。学生が抱く療養者の手段的日常生活行動イメージは、冷暖房機器の操作、乗り物に乗っての移動の項目が多く、年金・預金の管理、集金の対応、洗濯のイメージの項目が少なかった。療養者の手段的日常行動イメージに影響する学生の生活体験は、他者との交流体験であった。
【結語】学生の生活体験で他者との交流体験因子である「他人の家への訪問」「銭湯」「見知らぬ高齢者との会話」「ボランティア活動・地域交流」「子供・病人の世話」が学生の抱く療養者の手段的日常生活行動イメージに影響していた。