高校生に対するストレスマネジメント教育プログラムの検討
暴力行動予防に向けた認知行動的介入
キーワード:
高校生, ストレスマネジメント, 怒り, 暴力, 認知行動療法
要旨
本研究は, 高校生2年生を対象に,自他への暴力行動予防をねらいとし,ストレスマネジメント教育の介入効果を検討することを目的とした.プログラムは,認知行動療法をベースとし,2週間毎に1回45分,計3回の介入授業を実施した.プログラムの効果を検討するため,プログラムの実施前後および終了1か月後に,プログラムの理解度,対人ストレス認知,怒りの対処行動の内,援護要請と暴力について質問紙調査を実施した.その結果,プログラムの理解については介入前後で理解度が上昇し,効果の維持が認められた.対人ストレス認知では,事後ではストレス認知得点が低減していることが示されたが,効果の維持は認められなかった.また,暴力の介入効果は認められず,一方で援護要請は,1か月後のみ得点が増加していることが示された.今後,対象者の人数やフォローアップ授業を設定するなど,般化を視野に入れた行動レベルでの変容に向け,プログラムの安定的な効果を高めていくことが課題である.