看護学臨地実習の患者ケアにおける教員の学生指導の現状-実習指導に関わる看護師を対象とした調査より-

  • 永田 弓枝 岐阜医療科学大学
  • 成 順月 岐阜医療科学大学看護学部看護学科
  • 薬袋 淳子 岐阜医療科学大学看護学部看護学科
キーワード: 臨地実習 実習指導者 患者ケア 学生指導 看護教員

要旨

看護学臨地実習指導に関わる病棟看護師を対象に,教員が患者ケアの学生指導を行っている現状及び実習指導者経験の有無による違いを明らかにすることを目的とした。病棟看護師635人を対象に無記名自記式質問票による横断調査を行い,512人(80.6%)から回答が得られた。そのうち属性に欠損値のない498人に対象に,患者ケアの学生指導(以下ケア指導)を教員が行った時の状況別の頻度を算出し,マンホイットニーU検定を用いて看護師の実習指導者経験の有無によるその頻度の違いを調べた。病棟看護師の63.9%が,教員がケア指導を行ったことがあると回答し,「業務が忙しい」,「患者の状態が安定している」,侵襲性の低い看護技術の場合に教員がその頻度が高かった。実習指導者経験のある看護師は「複数学生の同時指導できない」,実習指導者経験がない看護師は「指導に不安がある」,「学生の状況をあまり把握できていない」場合に,教員がケア指導を行っている頻度が高かった。臨地実習指導に関わる看護師は教員に対して,病棟と患者の状況及び看護師の実習指導者経験に応じて,ケア指導を行うことを求めていることが示唆された。

出版済
2022-05-24
セクション
原著論文