回復期リハビリテーション病院におけるFunctional Independence Measureの評価の現状
新入職者と在職者の比較
キーワード:
回復期リハ病院, FIM運動項目, 新入職者, 在職者
要旨
回復期リハビリテーション病院において、リハ関連職種が患者の病態を把握し、正しく日常生活動作の評価をすることは、リハ目標の設定を行うために重要である。本研究では、リハ関連職種に対して日常生活動作の指標として評価されるFunctional Independence Measure(FIM)の現状について調査した。評価項目は、対象者の属性、FIM運動項目のセルフケア(6項目)、排泄コントロール(2項目)、移乗(3項目)、移動(2項目)の評価内容の理解度とした。分析方法は、当院に勤務するリハ関連職種をセラピスト群と病棟スタッフ群の2群に分類し、各評価項目を比較した。その結果、トイレ動作、ベッド・椅子・車椅子移乗、トイレ移乗の評価内容の理解度は、セラピスト群の方が病棟スタッフ群に比べて有意に高値であった。しかし、その他の項目は、2群間で有意な差を認めなかった。以上から、セラピスト群に比べて病棟スタッフ群は、患者の日中と夜間で能力が異なり介助量が変化する移乗動作や多くの項目で構成されているトイレ動作の評価を行うことが難しい可能性があることが示唆された。