回復期リハビリテーション病院におけるFunctional Independence Measureの評価の現状

新入職者と在職者の比較

  • 平野 恵健 日本医療科学大学
  • 伊藤 芳保
  • 本橋 みどり
  • 小川 祐来
  • 大友 祥平
  • 斎藤 丞
  • 中島 佳貴
  • 今村 健太郎
キーワード: 回復期リハ病院, FIM運動項目, 新入職者, 在職者

要旨

 回復期リハビリテーション病院において、リハ関連職種が患者の病態を把握し、正しく日常生活動作の評価をすることは、リハ目標の設定を行うために重要である。本研究では、リハ関連職種に対して日常生活動作の指標として評価されるFunctional Independence Measure(FIM)の現状について調査した。評価項目は、対象者の属性、FIM運動項目のセルフケア(6項目)、排泄コントロール(2項目)、移乗(3項目)、移動(2項目)の評価内容の理解度とした。分析方法は、当院に勤務するリハ関連職種をセラピスト群と病棟スタッフ群の2群に分類し、各評価項目を比較した。その結果、トイレ動作、ベッド・椅子・車椅子移乗、トイレ移乗の評価内容の理解度は、セラピスト群の方が病棟スタッフ群に比べて有意に高値であった。しかし、その他の項目は、2群間で有意な差を認めなかった。以上から、セラピスト群に比べて病棟スタッフ群は、患者の日中と夜間で能力が異なり介助量が変化する移乗動作や多くの項目で構成されているトイレ動作の評価を行うことが難しい可能性があることが示唆された。

著者略歴

平野 恵健, 日本医療科学大学

職位:准教授  

学位:博士(理学療法学)首都大学東京大学院 人間健康科学研究科

資格:理学療法士 ・ドイツ徒手医学認定セラピスト ・3学会合同呼吸療法認定士

専門分野:整形外科学、義肢装具学

研究テーマ: 理学療法学における臨床研究

 

業績:

  1. Yoshitake Hirano, et al: Development of a prognostic scale for severely hemiplegic stroke patients in a rehabilitation hospital. Clin Neurol Neurosurg. 2017;158(7):108-113.
  2.  Yoshitake Hirano, et al: Prediction of Independent Walking Ability for Severely Hemiplegic Stroke Patients at Discharge from a Rehabilitation Hospital. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2016 ;25(8):1878-1881.
  3.  Yoshitake Hirano, et al:Prognosis and classification of severely hemiplegic stroke patients in a rehabilitation hospital. J Phys Med Rehabil 2017, 5: 397(DOI 10.4172/2329-9096.1000397). 
  4. Yoshitake Hirano, et al: The effect of voluntary training with family participation on early home discharge in patients with severe stroke at a convalescent rehabilitation ward. Eur Neurol. 2012;68(4):221-228.

 

他37編、Proceedings 4編、学会発表(国内・国外)117本

 

競合研究費の採択

公益財団法人 ひと・健康・未来研究財団 医学研究助成金(2015)

公益財団法人 大同生命厚生事業団 地域保健福祉研究助成金(2011)

 

受賞:第59回日本循環代謝学会学術集会 優秀ポスター賞(2016)

 

出版済
2021-10-15
セクション
原著論文