地域で出来る認知症予防のお裾分け

新型コロナウイルス感染症流行下でのボランティア活動に向けて

  • 荒井 佐和子 川崎医療福祉大学
  • 谷原 弘之 川崎医療福祉大学
キーワード: 認知症, 予防, ボランティア

要旨

【目的】地域のボランティアが気軽に活動に実施できる認知症予防プログラムを開発し,その有用性と課題について検討する。

【方法】岡山県赤磐市にて開催されているボランティア養成講座の受講生26名を対象とした。講座は3回講座であり,第1回講座で5領域10科目の認知症予防メニューを受講生も参画して作成した。第2・3回講座では脳トレや傾聴技法,回想法の解説や演習を行った。

【結果と考察】5領域10科目の認知症予防メニューのうち,「誰かと1日1回以上,自分から話をする」は実施率が82.1%と高く,地域活動のきっかけとして有用な科目であった。また,中高年層のボランティアにとって自身の認知症予防をしながら,地域の方に認知症予防習慣のお裾分けを行う本プログラムの構造は,継続の観点からも普及の観点からも,認知症予防推進活動に有用であると思われる。また,集団活動の頻度が低く,講座内容に接触も伴わない本プログラムの構造は新型コロナウイルス感染症流行下においても比較的実施しやすく,高齢者の社会的孤立防止の観点から,各地域での導入と展開が望まれる。

出版済
2021-08-06
セクション
短報