回復期リハビリテーション病院が主催する介護予防教室が準高齢者と高齢者に及ぼす効果

  • 平野 恵健 日本医療科学大学
キーワード: 介護予防教室、準高齢者、高齢者、準備体操、重りの体操

要旨

【はじめに】

当院回復期リハビリテーション病院は、近隣住民の健康増進を目的に介護予防教室を週1回(1回90分)の頻度で実施している。本研究は、介護予防教室での運動が準高齢者と高齢者に及ぼす効果について検討した。

 

【対象と方法】

対象は、65歳以上で教室に継続して3ヵ月間参加した31名とした。評価項目は、教室開始時(介入前)・開始3ヵ月(介入後)の握力、片脚立位テスト、30秒椅子立ち上がりテスト(CS30)、Timed Up & Go test(TUG)とした。分析方法は、教室参加時の年齢から75歳以下の準高齢者群と75歳以上の高齢者群の2群に分類し、上記の評価項目を反復測定による二元配置分散分析および単純主効果の検定(Bonferroni法)を用いて比較検討した。

 

【結果】

対象者31名中、準高齢者群10名、高齢者群21名であった。介入前・後の握力、CS30は、時間経過、交互作用を認めなかったが、2群間で有意な差を認めた。片脚立位時間は、時間経過、交互作用を認め、准高齢者の片脚立位時間は介入前に比べて介入後のほうが有意に高かった。介入後のTUGは、高齢者群に比べて准高齢者群のほうが有意に低値であった。高齢者群のTUGは、介入前に比べて介入後のほうが有意に低値であった。

 

【考察】

週1回の「準備体操」(5種類)と「重りを使った体操」を中心とした介護予防教室は、準高齢者のバランス能力の改善に効果があり、また、高齢者の移動能力の改善にも効果があることが示唆された。

 

出版済
2019-12-03
セクション
原著論文