産後1年未満の父親の抑うつに関する文献検討

  • デッカー 清美 九州看護福祉大学
  • 丸山 昭子
  • 大澤 優子
  • 田中 瞳
キーワード: 父親、親、抑うつ、産後

要旨

要旨

 本研究の目的は、産後1年未満の父親の産後の抑うつについて先行研究をレビューし、その内容や影響について明らかにし、父親が抑うつに陥らないための支援について示唆を得ることであった。そこで、2007~2017年の国内外の文献を研究対象とし、CiNii、Medical Online、PubMed、Cochraneのデーターベース並びに関連先行研究の文献リストを参照し検索した。その結果、和文献7件、英語文献17件の24件の論文を対象とした。産後の早い時期に抑うつになる父親が増加傾向にあり、家族に影響を及ぼす可能性が報告されていた。また、産後約10.4%の父親が高いレベルの不安症状がみられたという調査結果であった。父親の産後の抑うつは母親同様、情緒不安定や社会性の低下など子どもの発育・発達に影響があると示唆されていた。国内では、母親の産後うつの研究は多く行われているが、父親の産後の抑うつに関する研究は海外と比較するとほとんど行われていない。今後、父親の子育てへの参画が増えていくとともに産後の父親の抑うつが増えていくことが予想される。しかし、子育てをする父親への支援は少ないと言える。父親が心にゆとりがもてる社会体制、教育プログラムなどを構築していくことは今後の重要な課題である。

出版済
2019-10-15
セクション
原著論文