中年者に対するヨガ運動プログラムの姿勢改善効果

  • 加藤 真由美 日本医療科学大学
  • 矢嶋 昌英
  • 森田 悠介
  • 鈴木 研太
  • 町田 早苗
キーワード: ヨガ運動プログラム、骨盤前傾角度、姿勢、柔軟性、背筋力

要旨

(目的)中年者を対象に作成したヨガ運動プログラム(腹式呼吸に合わせて身体の緊張と弛緩を繰り返すヨガ独特のストレッチ運動と筋力増強運動)が、中年者の姿勢改善に及ぼす影響について検討した。(対象と方法)健常な中年者8名を対象に、週に1回、全8回のヨガ運動プログラムを実施し、介入前後に脈拍、血圧、骨盤前傾角度、立位アライメント、股関節外転角度、胸腰部回旋角度、長座位体前屈、伏位上体そらし、背筋力、腹筋力、股関節内転筋力、ファンクショナルリーチの測定を行った。介入前後の測定値を対応のある検定とWilcoxonの符号付順位検定を用いて比較した(有意水準5%)。(結果)ヨガ運動後の脈拍は8回全てにおいて有意に減少した。最高血圧は8回中6回、最低血圧は8回中4回で有意に低下した。介入により骨盤前傾角度、股関節外転角度、胸腰部右回旋角度、長座位体前屈、伏位上体そらし、背筋力は有意に増加し、立位アライメントは有意な改善がみられた。胸腰部左回旋角度、腹筋力、股関節内転筋力、ファンクショナルリーチについては、有意な変化はみられなかった。(結論)中年者にヨガ運動プログラムを実施した結果、骨盤前傾角度の増加などの姿勢の改善を得ることができた。ヨガ独特のポーズをとるストレッチ運動は、ハムストリングス、股関節内転筋、体幹筋の柔軟性の改善に効果があった。骨盤前傾と脊柱伸展を行う低負荷の背筋力増強運動は、背部の深層筋と表在筋をバランスよく強化するために有効である可能性が示唆された。

出版済
2019-07-14
セクション
原著論文