国民健康保険特定健康診査5年連続受診者の投薬開始者と標準的質問との関連性
キーワード:
特定健康診査、リスク因子、加齢、Cox比例ハザードモデル
要旨
市町村国民健康保険特定健康診査を、平成23年から5年間にわたり連続して受診した40~64歳の男女計8,262名を対象とした。初回受診時の自記式標準的質問で高血圧症・脂質異常症・糖尿病について「投薬を受けていない」者のうち、次年度受診以降に「投薬を受けた」者を対象として、初回受診時質問の解答を説明変数とし、投薬治療の有無をコックス比例ハザードモデルでハザード比を算出した。この解析の結果、20歳時に比して体重10 kg増加したと回答した者等で、投薬開始のリスクが高かったことが分かった。これらの結果から、市町村国民健康保険加入者は健康教育等を受ける機会に恵まれておらず、標準的質問項目結果により将来の投薬開始リスクを把握して、医師による特定健康診査受診の勧奨や健康教育等を行うことが必要と考えられる。