カンボジア シェムリアップ州内における水の安全性についての検討

学校および周辺民家の飲用および生活用水の水質調査

  • Kumi YOKOYAMA
  • Mami TSUKIJI
  • Noriaki NUKANOBU
  • Yasushi TAKEI
  • Hideki KATANO
  • Keiko SHIMIZU
キーワード: 水質調査、素焼濾過器、細菌汚染、ヒ素汚染、シェムリアップ

要旨

カンボジア シェムリアップ州内5 地区にある学校とその周辺民家において、飲用水と生活用水の一般細菌、大腸菌およびヒ素による汚染状況について簡易水質調査を行った。
その結果、水質基準以上の一般細菌は31 検体中23 検体(74.2%)、大腸菌は16 検体(51.6%)が検出された。さらにヒ素は40 検体中9 検体(22.5%)から5 μg/ ℓを超え、50 μg/ ℓ以上100 μg/ ℓ以下に達した地点もあった。また最も高濃度のヒ素は素焼濾過器による濾過後の水から検出された。
素焼濾過器は微生物除去の目的で使用されるが、フィルタリング後の水からも大腸菌が検出されたため、素焼濾過器の適切な管理、取り扱いを徹底する必要性が示唆された。またシェムリアップ州はヒ素汚染の少ない地域であるが、井戸水に比べフィルタリング後の水からヒ素が多く検出されたことから、本調査における被検水のヒ素汚染は素焼濾過器と関連性があることが推察された。

出版済
2018-10-21
セクション
原著論文