緩和医療における心のケアに関する医療関係者の意識調査

日本と台湾の比較

  • 李 恵英
キーワード: 緩和医療、心のケア、傾聴、宗教的な支え、チーム医療、安心と安らぎ

要旨

本研究の目的は緩和医療における心のケアに関する日本と台湾での医療関係者の考えを明らかにし、心のケアの実践への向上に重点を置く。調査方法:2008 年12 月~2009 年3 月、それぞれ日本と台湾では、2 つのホスピス病棟で働いている医療者にアンケート調査を実施した。日本と台湾ではそれぞれ40 と41 の有効回答があった。調査対象は、医師や看護師などの医療関係者であった。調査内容は、(1) 年齢、学歴、緩和医療歴など18 項目、(2) 心のケアなど8 項目、(3) 自由記述等10 項目の3 大別して行った。解析方法はχ2 検定を用い、P<0.05 を有意とした。結果では教育システム、宗教観、死生観、倫理観、文化観において両国に有意差があった。多くの回答があった日本の“傾聴”、台湾の“宗教的な支え”、“チーム医療”等は、その裏づけとして、患者の医療関係者に対する安心と信頼感が最も重要であった。

出版済
2018-10-14
セクション
原著論文