青年層の抑うつ予防に芸術作品がおよぼす影響
相田みつを作品を活用して
キーワード:
抑うつ、自己肯定、青年層、芸術作品
要旨
青年層に芸術作品(相田みつを作品)を鑑賞してもらい、自己肯定を促すことで自分のよさを認めることにより、抑うつ気分が減少するかを検討した。対象は専門学校生60 人(平均年齢28.5 ± 8.6 歳)とし、介入前後に質問紙調査を実施して比較した。結果、「CES-D うつ病自己評価尺度」の平均値が減少し、有意に抑うつ気分が減少した(P<0.05)。また、介入前には気分障害(抑うつ)圏内に入っていた人が29 人(48.3%)いたが、介入後は22 人(36.7%)に減少した。以上から、青年層の抑うつを予防するひとつの方法として、自己肯定を促すような芸術作品を個人が鑑賞し、気持ちの切り替えに活用すること、および集団の中で他者に認められる経験を繰り返し行うことが有効だと考えた。