糖尿病の配偶者を援助する妻の思いと夫の思い

  • 山口 直己
  • 儘田 徹
  • 佐藤 栄子
キーワード: 2 型糖尿病、配偶者、家族支援

要旨

糖尿病患者の配偶者10 名の面接データを分析した結果、患者を援助する中で抱く思いについて2 つのカテゴリーが見出された。【患者が意欲的と思えないため援助意欲が強まらない妻の思い】では、配偶者である妻は夫の食行動から糖尿病治療への意欲があるとは思えず、援助意欲を強めることができないにもかかわらず、『援助への躊躇』といった実際に患者を援助しているからこそ生じる思いを抱いていた。この思いの背景には、家事の一環として患者の食事などの援助をせざるをえないという性役割意識の影響があると推察された。【性役割や病状への楽観から援助意欲が強まらない夫の思い】では、配偶者である夫は妻への援助は夫婦なのだから当然と思ってはいるが、夫という性役割や妻に目立った異常がないことから援助意欲を強めることができないでいた。この場合の性役割意識は、食事は妻の役割であり自分には手が出せないというものであると考えられた。

出版済
2018-10-13
セクション
原著論文