中小規模事業所のうつ病対策の支援要因の検討

  • 石井 英子
  • 藤丸 郁代
  • 肥田 佳美
キーワード: 中小規模事業所、メンタルヘルス、うつ病対策要因

要旨

うつ病による自殺者が増加する中、うつ対策が十分なされていないと思われる。そこで、小規模の事業所におけるうつ病の認知状況を把握し、今後の職域でのうつ対策に役立てることを目的とした。
【方法】研究対象は某県の保健所管内事業所で各商工会議所に所属している100 人以下の中小規模事業所である。
【研究方法】 2008 年8 月に調査し、700 事業所に調査依頼し、320 事業所から回答があった。
【結果】 311 事業所を50 人未満と50 人以上の事業場とのうつ病の認知状況比較を行った。業種別では、製造業39.6%が多く、次いで建設業16.9%、サービス業12.5%、運輸業8.3%である。「うつ病につながるストレスの増加要因について」は、「コミュニケーションの希薄化」63.9%、「仕事の難易度または責任度の増大」52.7%、「仕事の量、ノルマの増加」、30.0%で職場環境に大きく影響している。職場の心の健康(うつ病)への対処は、本人からの申し出でが多く、専門家もいなくて対処できないでいる状況が多いという結果であった。 今後、保健所はじめ、市保健センターの職員との協働連携によって早期に対処できる体制が必須である。

出版済
2018-10-13
セクション
原著論文