慢性呼吸器疾患患者の自己効力感と呼吸困難、 生活習慣およびコンプライアンスとの関連

  • 小島 重子
  • 齋藤 文子
キーワード: 慢性呼吸器疾患患者、自己効力感、呼吸困難、生活習慣、コンプライアンス

要旨

慢性呼吸器疾患(CRD)患者の自己効力感と呼吸困難、生活習慣、コンプライアンスとの関連を検討した。2008年8~9月にA病院外来通院中のCRD患者に自己記入式質問紙調査を実施した。解析対象となった78名について単回帰分析を用いて呼吸困難尺度との関連を、共変量を調整した調整自己効力感得点を算出し生活習慣とコンプライアンスとの関連を検討した。自己効力感得点は呼吸困難度が軽度な患者ほど有意に高かった(p=0.000)。また、調整自己効力感得点は、食習慣に「気をつけている」患者が「気をつけていない」患者よりも有意に高く(p=0.004)、「医師の指示通り正確に薬を使用している」患者が「していない」患者よりも有意に高かった(p=0.048)。以上より、CRD患者の呼吸困難と自己効力感の関連が示唆されると共に、自己効力感の高い患者は、食習慣に注意を払い、良好なコンプライアンスであることが示された。

出版済
2018-10-13
セクション
原著論文