杖の位置と荷重方法に対する床反力作用点の変動

  • 犬丸 敏康
  • 小島 久典
キーワード: 杖、床反力作用点、主成分分析、立位バランス

要旨

本研究では杖の位置や荷重方法を変え、それによる立位バランスの影響を床反力作用点から検討した。主成分分析を用い、各条件での床反力作用点の特性を調べた。杖の位置は中央(以下CP)、前方(以下FP)、後方(以下RP)とした。杖の荷重方法は杖をもつのみで荷重しない(以下NW)、身体全体で荷重を行う(以下BW)、腕のみの力で荷重を行う(以下AW)とした。第1主成分を長軸、第2主成分を単軸とし、固有値を長径、短径とする楕円により床反力作用点の変動を表した。第1主成分の固有値が大きくなる場合で楕円が横長となれば床反力ベクトルの方向と大きさが定まりやすい特性へと変化する。このパターンがCPのBWとFPのBWにみられ、中央・前方に杖を位置させ、身体全体で荷重することがより立位バランスの安定性に寄与しやすいことが明らかとなった。

出版済
2018-10-13
セクション
原著論文