群馬県内で生産された出荷前農産物の残留農薬実態

  • Kazuo FUNADA
  • Fumiko TAKEI
  • Shigeru OZAWA
  • Tetsushi KATO
  • Hiroki MATSUOKA
  • Yumi WATANABE
  • Yoshio OZAWA
  • Takashi NAKAJIMA
キーワード: 残留農薬、出荷前農産物、登録適用外農薬、ドリフト

要旨

2003年度から2006年度に、出荷前農産物615検体(農薬別延べ検体;以下延べ検体:50,782)の残留農薬検査を実施した。その結果、出荷前農産物の154検体(25.0%)、延べ検体の233検体(0.46%)から極めて微量の農薬が検出された。すべての農産物において、食品衛生法に定められた残留基準を超えるものはなく、出荷前の段階での安全性が確保された。しかし、8種類の農産物から農薬取締法での登録が適用されていない農薬(以下、登録適用外農薬)の10種類が、延べ16検体から検出された。この検出された16事例について、適用外農薬の検出原因について、生産農家の農薬購入履歴や農薬使用記録等を全国に先駆け調査したところ、このうち14事例(ドリフト:7事例、土壌汚染:5事例、器具の洗浄不足:2事例)で農薬使用履歴がなった。一方、誤使用の2事例のミニトマトについては、トマトとして使用したものであった。また、農産物の分類別農薬検出状況について、果実類>果菜類>葉茎菜類>根菜類の順で高く、それぞれの分類間で有意差が認められた(p<0.05)。

出版済
2018-10-13
セクション
原著論文