成長期および大学在学中の運動経験が女子大学生の骨量変化に及ぼす影響
縦断的研究
要旨
骨粗鬆症の予防には最大骨量(Peak Bone Mass : PBM) を維持することが重要である。骨量を維持するには運動が重要であるが、近年、若年女性の運動習慣減少が問題となっている。そこで本研究では、女子大学生を対象に過去および大学在学中の運動習慣が骨量変化に及ぼす影響を縦断的に検討した。134 名(19.22 ± 0.29 歳)の女子大学生を被験者とし、右踵骨を超音波法(Lunar 社,A-1000 EXPRESS)にて年1 回、縦断的に測定した。その結果、初年度、1 年後および2 年後とも過去運動経験あり群はなし群に比べ踵骨骨量(Stiffness) が高値を示した(各p<0.01、p<0.01、p<0.05)。骨量変化は過去運動経験あり群が有意に低下した(p<0.001)。しかし、その中でも大学入学後も運動習慣を有していた者は骨量を維持していた。このことから、運動は骨量維持の可能性が示唆された。