実技と講義の順序と薬学部学生の理解度について

植物色素の可視吸収スペクトル

  • 五郎丸(新海) 美智子
  • 西口 慶一
  • 成末 憲治
  • 中沢 克江

要旨

「身近な食物から色素を抽出してその吸収スペクトルを測定する」という実験を通して、講義と実技の順序が学生の理解度や印象に与える影響を検討した。半数の学生は、色素抽出液の吸収スペクトルを測定してから、光の吸収や反射の講義を受ける一方で、残りの半数は先に講義を受けてから測定(実技)を行った。全員の実技と受講が終了した後に行った小テストによると、実技と講義の順序によって学生の理解度は全く影響を受けなかった。一方、学生の印象では、講義を先に聞いてから実技を行ったほうが分かりやすいと感じていた。実技を先に行う場合は、動機付けに留意することがいっそう重要であると考えられる。

出版済
2018-10-08
セクション
原著論文