植物色素の抽出条件の検討と可視吸収スペクトルの測定
要旨
色鮮やかな食材を使って、目に見える色と物質による可視光の吸収との関係について検討した。食材をいくつか選び、溶媒および測定する物質の濃度を検討した。その結果、溶媒はエタノール、食材は赤、黄パプリカ、緑のピーマンが適しており、それぞれ0.5gを4 ml に溶かし、20 分放置して測定する条件が適していた。赤と黄のパプリカは、どちらも短波長側に偏ったスペクトルを示した。一方、緑のピーマンから抽出された色素の吸収スペクトルには、短波長側の吸収に加えて670 nm 付近に極大をもつ吸収が存在した。緑色の野菜から葉緑素が減少していくことで赤色になることが裏付けられた。ピーマンやパプリカを使って、光の吸収と目に見える色との関係を理解する方法が明らかになった。