食塩感受性高血圧患者に対する低塩分ダイエットの効果 朝と夜の収縮期血圧の降下速度

  • Kenichi HATTORI

要旨

降圧剤治療中の患者が、血圧を下げるため、減塩する時、減塩目標を合理的に決めたい。ここに、個人の、血圧と塩分摂取量との相関を知る必要がある。著者は、1994年10月に初回の脳梗塞で入院した。退院後、病院指示の7 g/day の減塩を行った。しかし、7 g/day のダイエットでは、再発を防げず、1998 年2 月と10 月に脳梗塞を再発した。偶々、第二回の発病の2 週間前までの、比較的平穏な56日間、毎食の塩分を実測し、記録した。発病を避けて、塩分と血圧との対応デ-タが得られた。その相関係数は、0.662** で、回帰式は予測に使える。再発防止のため、理想血圧120 mmHg に血圧を低下するには、3.5 g/day の減塩が必要と計算された。この塩分ダイエットで、血圧は予期レベル迄下がり、10年以上再発を防止出来た。朝血圧は、前日の朝と昼の食事の塩分の影響を受け、夕食の塩の影響を受けないので、夕食で塩分の多いものをとることが薦められる。朝、夜の血圧の低下速度の大差など興味ある知見を得た。

出版済
2018-10-08
セクション
原著論文