母性看護学実習における学生の技術経験状況と今後の課題

母性看護学実習技術経験録より

  • 菊地 美帆
  • 髙島 葉子
  • 中島 通子

要旨

A大学看護学部における母性看護学実習の技術経験について、学生の同意を得て、技術経験録の自己チェックを集計し技術経験の状況と今後の課題を明らかにした。平成21年度3年次生86名の計47項目からなる実習技術経験録の記述統計処理を行った結果、正常な産褥経過をたどった褥婦を受け持った学生は72名、帝王切開術後の褥婦12名、管理入院中の妊婦2名であった。90%以上の学生が経験できた項目は、妊婦ではレオポルド触診法、新生児の技術では、健康診査、黄疸指数測定、おむつ交換、抱き方・寝かせ方であった。また、分娩見学は19名(22.1%)、新生児の沐浴・清拭においては33名(38.4%)であり主に臀部浴介助や衣類の着脱といった内容であった。ハイリスクの増加や出産の減少は実習においても少なからず影響が出ている。今後、先行する母性看護学演習や母性看護方法論の講義内容の検討を行い、実践に即した内容にしてゆく必要がある。

出版済
2018-10-08
セクション
原著論文