A群レンサ球菌接種マウスの同一病巣から接種菌と共に 同時に分離された変異菌の遺伝子解析の検討

  • 西村 俊夫
  • 沼田 紀義

要旨

A群レンサ球菌接種マウスの同一病巣から接種菌と共に同時に分離された変異菌について遺伝子解析を行った。A群レンサ球菌の変異株にはUridine diphosphate-N-acetylglucosamine-4-epimeraseがあり、A群標準株には認められなかったとの報告がある。この酵素の遺伝子の塩基配列は未だ不明である。だが4-epimeraseはUDP-glucoseとUDP-N-acetylglucosamineの両方を基質とすることが証明されている。またEnterococcus faecalis V583には2種類のUDP-glucose-4-epimerase遺伝子(galE-1、galE-2)が見つかっている。そこで検体の加熱処理物(genomic DNA)を鋳型としてgalE-1およびgalE-2遺伝子を増幅するように設計したPCR Primerを用いて解析を行った。変異株では増幅できたが標準株ではできなかった。そこでNCBIより取得したgalE-1、galE-2配列を参照配列(基準となる配列)とした。シークエンスの結果、変異株はgalE-1、galE-2の配列を有していた。変異の種類はframe shift、ミスセンス変異、サイレント変異であった。しかしこれら変異菌の由来生物種までは確定できなかった。これら変異菌についてはBergey’s Manualの生化学的性状や血清学的検査所見、またDNA相同試験などによりEnterococcus faecalisと同定し前回報告した。それ故に今回はこれら変異菌をEnterococcus faecalisを除いたEnterococcusと同定した。

出版済
2018-10-07
セクション
原著論文