睡眠とストレスコーピング
大学生の健康調査から
要旨
ストレスによって健康上の問題が引き起こされることがある。その1つには睡眠を挙げることができ、睡眠を良好に維持するためにも、ストレスにどのように対処し、低減させるかが問題となる。そこで、本研究では、大学生と専門学校生を対象として、昭和大式コーピング尺度とピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)からなる質問票を施行した。その結果、PSQI総得点の高低群間で、昭和大式コーピング尺度の「八つ当たり」において正の有意差があり、「気晴らし」において負の有意差があった。このことから、睡眠評価が悪いと陰性的情動発散である「八つ当たり」を使用する傾向が強く、睡眠評価が良好であると積極的情動発散である「気晴らし」を使用する傾向が強いことが明らかとなった。また、ストレスコーピング方略については、性差間で「援助希求」「八つ当たり」「気晴らし」において有意差が見られ、女性の方がこれらを使用する傾向が強いことが示唆された。