マテ茶に含まれるポリフェノール、カテキン、およびカフェインの含量分析に関する研究
要旨
南米諸国の人々は、肉食中心の食生活にもかかわらず生活習慣病の発生率は高くない。その理由としてマテ茶の常用が推測されてきた。しかし、このマテ茶の生理学的あるいは薬理学的作用に関しては不明な点が多い。今回、我々はマテ茶の薬理作用を検討する一環として、マテ茶のポリフェノール、カテキン4種、カフェイン含量をそれぞれ分析した。マテ茶は緑茶よりポリフェノール含量が1.3倍~1.5倍高かった。そのポリフェノール成分のエピカテキンガレート(EGC)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキンガレート(ECg)のそれぞれのカテキン含量は、0.139~0.152、2.97~3.39×10 -3 、1.90~2.04×10 -2 、6.24~7.89×10 -2%と低かった。マテ茶のカフェイン含量は1.70~2.04%であり、マテ茶は緑茶の56~67%であった。即ち、マテ茶は、ポリフェノール濃度が高く、ガンや動脈硬化などを防ぐ効果が顕著であり、カフェイン含量が低いために中枢神経興奮あるいは強心作用の少ないお茶であることが示唆された。