カワセミとアカショウビンの舌の走査型電子顕微鏡による観察
要旨
カワセミ(Alcedo atthis)の舌は全体として矢じり状の形態を示し、その先端に分離は見られなかった。舌体の後端部両側に2つのひだが合体し、先端を舌根方向に向けた大型の円錐乳頭が観察された。舌尖および舌体の表面は突起がなく平坦であった。上皮剥離後の舌体後端部の表面には、さざ波状の結合組織が見られた。声門の両側に多数の円錐乳頭が存在し、さらにその外側に多数の分泌腺の開口部が観察された。アカショウビン(Halcyon coromanda)の舌は全体としてカワセミと同様矢じり状の形態を示し、その先端に分離は見られなかった。舌体の後端部両側に先端が円く、先端を舌根方向に向けた大型の円錐乳頭が観察された。舌尖および舌体の表面には突起がなく平坦であった。上皮剥離後の舌根および声門外側の表面には、小突起状の結合組織が見られた。舌根および声門外側に分泌腺の開口部が観察された。